must とhave toの違い
学校では、mustと have to どちらも「~しなければならない」と学んだと思います。
ですが、なんでmust と have to 2つの言い方があるの?

と思った事ありませんか?

実際には、この二つにはニュアンスの違いがあります。

今回は、その違いを解説します。

◎mustは自分の意思
mustの場合、自分の強い意思/考えで「~しなければならない」というニュアンスになります。

I must go!(Because I don’t want to be late.)
行かないと!(遅刻しなくないから)

I must study.(Because I would like to pass the exam.)
勉強しないと!(試験に合格したいから)

主語が “I” の場合、
「私は〇〇しなくてはならない!」
という固い決意が表現されますが、
主語が “You” になると、
「あなたは〇〇しなくてはならない!」
のような指示、命令をしているような印象を与える場合があります。

そのため、使うシチュエーションや、会話の内容に注意する必要があります。

You must go.
行かないといけない。

この場合、あくまでも"You must go" と言った人の意見であり、"You" にあたる人の考えは無視されています。

◎have to は せざるをえない
"have to" は、個人的な意思は置いておいて、なんらかの要因(ルール)で義務的にしないといけない場合に使います。

そのため、
「~しなくてはいけない(理由がある)」
「~せざるをえない」
というニュアンスが含まれてきます。

I have to stop at the red lights.
赤信号では止まらないといけない。

I have to study.(Because I have a test.)
勉強しないと。(テストがあるから。)

◎否定文の場合
肯定文の場合、同じ「~しなくてはならない」でも、ニュアンスが異なりましたが、否定文にすると、意味が違ってきます。

must not  
(絶対に)するな

don’t have to  
しなくてもいいですよ。(する必要はありませんよ)

Mustは、have to よりも強い強制のニュアンスが含まれます。
そのため否定形にした場合には、禁止の「~してはいけません」という意味になります。

You mustn’t go.
行ってはいけません。

You don’t have to go.
行く必要はないです。

ジョギングを日課にしている人が足を怪我した場合、医者からのアドバイスとして、
You don’t have to stop jogging, but you mustn’t run.
ジョギングを止める必要はないけど、走ったらいけません。

◎「~しなければならなかった」過去形の場合
過去の出来事「~しなければならなかった」と表現する場合、mustを過去形にすることはできません。

そのため、have to を過去形にして
I had to go.
行かないといけなかった。

ちなみに!
must の過去形はありませんが、must + 現在完了(have p.p)で
「~だったに違いない」
という意味になります。
She must have drunk all day.
一日中飲んでいたに違いない。


実際に瞬時にこの二つのニュアンスを含めて言い分けるのは難しいかもしれませんが、
どちらかを使って言われた場合には、意味をくみ取れられるようになりたいですね。