ドイツ語ってどんな言語
ドイツ語は、ドイツ、オーストリア、リヒテンシュタイン、およびスイスの大部分で話されています。
また、フランス、ベルギー、ルクセンブルグ、ポーランド、イタリア、など、一部の地域でもドイツ語が使われています。
日本語として日常的に使っている「アルバイト」や「リュックサック」はドイツ語が語源になっています。
医療用語ではドイツ語を使っていることも多く、カルテ、ウイルス、オペなどの私たちも聞いたことのある医療用語、これもドイツ語からに日本になったものです。
日頃使う単語がドイツ語からきた言葉と知ると、ドイツ語がすごく身近に感じますよね。
ドイツ語のアルファベットと発音
26文字のラテンアルファベットに加え、ドイツ語では3つのウムラウト(アルファベットの上にある二つの点「ä」)とEszett(エスツェット)「ß」 を使用します。
母音は日本語とほぼ同じように発音し、子音、特に破裂音(p、b、t、d、k、g)と鼻音(m、n)も同じような発音です。
Name: [ˈnaːmə] ナーメ
Pate: [ˈpaːtə] パーテ
3種類のウムラウト「ä」「ö」「ü」の発音に関して:
「ä」ドイツ語の[e](エ)と非常によく似ており、3つのうちで最も発音しやすいです。
「ö」唇を丸めた状態で[e]と言うことで作られています。
「ü」唇を丸めドイツ語の[i]を発音します。
Eszett(エスツェット)「ß」の発音に関して:
Eszett(エスツェット)はドイツ語特有のアルファベットです。 “ss”の音に似ていますが、ss音とは異なり前の母音を短くすることはありません。
Masse: [ˈmasə] マセ
Maße: [maːsə] マーセ
動詞
ドイツ語の動詞は主語に応じて活用され、動詞の語尾を変更します。
規則動詞と不規則動詞がありますが、いくつかの例外を除いて、活用の仕方は同様となります。
主な違いは、不規則動詞は単語の途中の音に変化があることです。
spielen/遊ぶ | sprechen/話す | lessen/読む | schlafen/寝る | |
---|---|---|---|---|
ich:一人称 | spiele | spreche | lese | schlafe |
du:二人称 | spielst | sprichst | liest | schläfst |
er/sie/es:三人称 | spielt | spricht | liest | schläft |
wir:一人称複数 | spielen | sprechen | lesen | schlafen |
ihr:二人称複数 | spielt | sprecht | lest | schlaft |
sie/Sie:三人称複数 | spielen | sprechen | lesen | schlafen |
名詞
ドイツ語の名詞の頭文字は大文字で表記します。
そして、ドイツ語の名詞には、男性名詞、女性名詞、中性名詞の3つがあります。
名詞の性別は、冠詞で見分ける事が出来ます。
男性名詞には「der」、女性名詞には「die」、中立名詞には「das」という冠詞がつきます。
人に関連する単語の場合、それらは主に人の性別を反映します。
der Mann – 男性(男性名詞)
die Frau – 女性(女性名詞)
das Kind – 子ども (中性名詞)
名詞には単数形と複数形がありますが、残念ながら、英語の複数形の様に最後に-sを追加するよりも少し複雑です。
複数形のルールについて:
・通常の複数形は-e、-er、または-(e)nを語尾が付く
・複数形でも語尾に何もつかない名詞もある。
・多くの外来語の場合の語尾には-sを使用
・多くの場合、母音はウムラウト(2つの点)に変更される
【単数】- 【複数】
Apfel – Äpfel(リンゴ)
Berg – Berge (山)
Haus – Häuser (家)
Name – Namen (名前)
Sofa – Sofas (ソファ)
格のルールについて:
名詞には、主格(Nominative)、属格(Genitive)、与格(Dative)、対格(Dative)の4つの格があります。
これらの格により、文中の名詞の役割がします。
そして、それぞれの格により使用する冠詞が下記のように異なります。
主格(nominative) | 属格(genitive) | 与格(dative) | 対格(accusative) | |
---|---|---|---|---|
男性名詞 | der | des | dem | den |
女性名詞 | die | der | der | die |
中性名詞 | das | des | dem | das |
複数形 | die | der | den | die |
このシステムのおかげで、語順は英語に比べてはるかに簡単です。
たとえば、『男性が子供にリンゴをあげる』の表現には
Der Mann gibt dem Kind den Apfel
Den Apfel gibt der Mann dem Kind
Dem Kind gibt der Mann den Apfel
語順がそれぞれ異なりますが、同じ意味の文章です。
語順を変えても、格のおかげで、何が主語で何が目的かがわかっているためです。
der Mann = 主格
dem Kind = 与格(間接目的語)
den Apfel = 対格(直接目的語)
「ドイツ語には活用がたくさんあって複雑!」と思われたかもしれませんね。
ドイツ語を学ぶには、多くのルールを覚える必要がありますが、文法は論理的でパターンに沿っています。
ルールとパターンを理解するとすぐに学ぶことが面白く、楽しい言語という事が分かりますよ。