韓国ドラマを見ていると、通常の食材が入った冷蔵庫の他に、もうひとつ大きな冷蔵庫が置いてあるのを見たことがあると思います。
特に家族ドラマでは度々登場しています。
日本の一般的なマンションにくらべ韓国のマンションは広さがあり、キッチンもゆったりとした間取りが多いかもしれません。
そのため、韓国では、近年、冷蔵庫を2台持っている家庭が一般的になっています。
キムチとは、大根・白菜・キュウリなど野菜を塩に漬けて、唐辛子·ねぎ·ニンニク·生姜などさまざまな味付けを混ぜ合わせて漬けた野菜の塩蔵・発酵食品です。
朝鮮半島は、冬の寒さはとても厳しく、昔は特に野菜の入手が困難でありました。そこで、〝キムジャン″という、本格的な寒さが始まる前に各家庭で一冬分のキムチ漬けを行います。
韓国では、11月~12月にかけて、天気予報でキムチ漬けに適した時期を知らせる「キムジャン前線」が発表されるほど冬の一大行事です。
キムジャンの時期になると、市場やスーパーでは、白菜や大根などの野菜が山積みになり、多くの人々で活気に包まれます。
大家族で一つ屋根の下に暮らしていた時代は、100個以上の白菜をキムチにしていました。しかし、現代では少人数の家族が多いことや、マンション暮らしが増えたため、その量は減少しつつあります。
近年の韓国では家庭でキムチを漬ける方はもちろん、市販のキムチを購入する方もいます。家庭で漬ける場合は大体1年分ものキムチを漬けます。
しかし、一般の冷蔵庫はドアを開けると冷たい空気が下から溢れ、温かい空気が流れ込むため、冷蔵庫内の温度が安定しません。
このような冷却を繰り返すと冷蔵庫の中の温度差が激く、一般の冷蔵庫にキムチを保管する場合一週間程度で味が変わり、美味しく発酵させることができません。
そのためキムチだけを別に保管する目的で作られたのがキムチ専用の冷蔵庫です。
キムチ冷蔵庫は引き出し式、または上部開閉式に作られドアを開いても冷気が外へ流れ出ず、冷蔵温度を維持することができます。
つまりキムチ冷蔵庫は冷たい空気が温かい空気より重く上へ上がらないという原理を利用したものです。
そのため、キムチ冷蔵庫が登場した時のデザインは、ドアを上の方に持ち上げて開ける横型の物が多いです。
しかし、最近は低温を保つ技術の進歩や、キムチ以外の食品も保存するようになった多様なデザインのキムチ冷蔵庫が販売されています。
キムチ冷蔵庫を利用すると、新鮮なキムチを普通4ヵ月まで保管することができますが、熟成期には、温度を5-7℃に維持して、その後は0℃に調整しておけば長期間保管が可能です。
また、問題なのがあの匂い!
小さなパッケージですら匂いが強いのに、1年分となると…もう家中がキムチの匂いになりそうですよね。
そこでキムチ冷蔵庫を使い、キムチだけはそこに保存しようというわけなんです。
現在は、果物、野菜、肉類なども凍らない新鮮な状態で長期間保管できる、様々な種類のキムチ冷蔵庫が登場しています。
この冷蔵庫には、細かい温度設定などが備わっており、日数や発酵温度を計算してくれるためキムチをいつでも最適な状態で保存することが可能です。
また、キムチだけに限らず他の匂いが強い調味料や食材などを保管することも出来ます。
最近はその性能だけではなく、自分のキッチンのインテリアに合わせられるようなスタイリッシュな冷蔵庫も発売されています。